背中に目をつける

横断歩道を渡っていたら、右後ろから来たタクシーが右折しました。

タクシーを拾おうと思っていたので、手を挙げました。

こちらはタクシーの左斜め後ろに居たものですから、無理かな、
見えないかなと思ったのですが、後ろに目がついているみたいに止まってくれました。

タクシーの少ないところだったので助かりました。

うまく拾えてラッキーでした。



さて、運転手さんに聞いてみました。

「ぼくたち後ろにいたのによく手を挙げたのが見えましたね?」

驚くべき答えが返ってきました。


「あ、はじめから分かってたから・・・。皆さん大勢で立ってらっしゃったでしょ。
あ、これはタクシーを捜しているんだなってのがわかった。
それでいったん通り過ぎて、あそこは、ユーターン禁止だから、
路地をくるくるとまわって出てきたところだったんだ。
そしたら、ちょうど横断歩道を渡っていらしたんで。
ぼくの前にも一台空車が走ってたけど、その車はそのまま行ってしまったなあ」


あー、そうなんだってびっくりしました。

拾ったと思っていたのが実は拾われていたわけです。

こんなことって聞かないと分からない。


背中に目があるのかと思ったら、頭の中に目があったというわけです。

見たことから未来を予測した結果、あたかも後ろに目があるようなことができる。


ところでこの運転手さんの所属しているタクシー会社では完全歩合制なのだそうです。

運転手さんの収入は真ん中よりちょっと上ぐらいだということでした。

この程度の洞察力では、まだまだ足りないと言うことなのでしょうね。

目が背中にあるような人がいっぱいいるわけです。


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