「影響力の武器」
ロバート・B・チャルディーニ 誠信書房


七面鳥の母親の話が最初に出てきます。

ピーピーとヒナ鳥が鳴けば、母親はヒナ鳥の面倒を見ます。
そしておもしろいことに、ヒナ鳥が鳴かなければ、母親は面倒を見ない。

 
親鳥はヒナ鳥がかわいいから面倒を見るのではなく、
ピーピーと鳴くから面倒を見るのです。

 
七面鳥の天敵イタチで実験をしたそうです。
イタチの人形を母鳥に近づけると、母鳥は、鋭い鳴き声をあげ、
くちばしでつつき、爪でひっかこうとします。

しかし、イタチの中にテープレコーダを埋め込み、
ヒナ鳥のピーピーという鳴き声を流すと、ヒナ鳥に対するような行動をするのです。

 
つまり、ヒナ鳥の鳴き声で、母鳥のスイッチが「カチッ」と入り、
母親行動のプログラムが「サー」と流れるのです。

 

何かのきっかけでこのような行動をすることを固定的行動パターンというそうです。
この固定的パターンは、人間でも数多く見られます。

 

たとえば、
「人に何か頼みごとをするときには理由を添えた方が成功しやすくなる」
というのがあります。

 

コピー機の実験というのがあります。
図書館でコピーをとっている人に先にコピーさせてもらうようお願いするという実験です。

1.「すみません、5枚だけなんですけど、
急いでいるので先にコピーをとらせてくれませんか?」

2「すみません、5枚だけなんですけど、先にコピーをとらせてくれませんか?」

3「すみません、5枚だけなんですけど、
コピーをとらなければならないので先にコピーをとらせてくれませんか?」


成功率は2が60%、1が94%と3が93%でした。


「理由」を聞くことでスイッチがカチッと入ってしまうのです。
そして、その理由は、合理的なものでなくてもいいのです。
3の「コピーをとらなければならないので」はただ、
「ので」ということばがついているだけで、とても説得力のある理由とは思えません。

 

この本には、こういった人間の面白い行動がいっぱい書かれています。
人間の「カチッ」「サー」の原則を知ることは、必ず商売に役立ちます。

また、反対に、このような「カチッ」「サー」の原則にのっとった商法から
身を守る方法も書かれています。



 
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